いつか、僕らの途中で ……の途中で

http://itsukabokurano.jugem.cc
スポンサーサイト
この広告は60日以上更新がないブログに表示されております。
新しい記事を書くことで広告を消すことができます。
| - | | - | -
メディア掲載情報
・4月9日
『静岡新聞』日曜版・朝刊「読書のコーナー」
 田雜芳一インタビュー、柴崎さんコメント

・3月17日

ポプラ社 Webマガジン『ポプラビーチ』
同サイト『志事人』のコーナーに、柴崎友香さんのインタビュー

・3月16日

『ぴあ』3月23日号(新刊紹介)

・3月10日

大阪芸術大学『大学漫画』vol.4(発売:小池書院)
単行本『いつか、僕らの途中で』収録の短編『孫さんのはなし』を漫画化

・3月1日

『スタジオ・ボイス』(INFAS)4月号「SV CUT UP BOOKS」(書評)

・2月6日

『ダ・ヴィンチ』(メディアファクトリー)3月号 「ヒットの予感EX」
柴崎友香×田雜芳一(対談)

・2月4日
『毎日新聞』関東版・夕刊 「おすすめ本」

・1月28日
『毎日新聞』関東版・夕刊 「会いたい人」 田雜芳一(インタビュー)
| - | 23:28 | - | trackbacks(12)
連載第2回、夏篇の絵コンテ
単行本が完成して書店に並んでいる今となっても、この作品が実際どういうプロセスでできていったのかがよくわからなくなることがあります。作っている最中も、最終的にどんなかたちになるのかは全然見えていなかったし、また、見えないことや、わからないこと自体がこの作品をかたち作ったようにも思えます。わからないことをわかろうという過程が一つの作品になったのかもしれません。いずれにせよ、ひとつのパッケージとなった上でも、まだこの作品は終わっておらず、拡散し、変化を続けて行くような気がします。

このブログを書き始めた個人的な最初の動機は、作品の性格上、制作過程を公開するのも面白いかもとか、とにかく作品本編に入る以前のotehrの部分がおそろしく多い作品だから、それをちょっとだけお蔵出ししようとか、あとちょっと宣伝とか、そんなちょっとした打算も見え隠れするようなものだったんです。ただ、途中からこの作品がどういったプロセスでかたちになって行ったのかを自分自身で確認し直す場となって行ったように思います。
作品は完成しましたが、逆に今だからこそ、作者である自分にとっても、あるいはもう一度この作品がどんなものだったのかを俯瞰する必要があるのかもしれません。そんなわけで、もう少しここの更新を続けます

というわけで、一昨年の大晦日以来、実質的な更新が滞っていましたが、以下が以前公開した春篇の続編である夏篇の絵コンテです。

春篇のものとは違い、色がついています(Photoshopで彩色)。というのも、このコンテは完成版の絵柄のエスキスも兼ねて制作したものだからです。ただ、絵柄も連載時春篇のものとはだいぶ違うし(単行本版とも全然違う)、なんだこれ、という感じですが、要は、ここでも度々こぼしているように、当時、この作品の絵柄についてかなり迷っていたんですよね。最終的に夏篇は、このエスキスを下絵にして、リキテックス(アクリル絵具)でフィニッシュしました。

第一回の春篇を見切り発車ながら力技でかたちにして、当然ですけど、それまで見えていなかったこの作品のコアな部分がかなり明るみになったんです。そしたら、連載時春篇でやった絵柄も悪くはないんだろうけど、ちょっと違うぞ、と思うようになってきたんです。
普通、連載って最初に打ち出したものをなんとかかんとかやりくりして行くものなんだと思うんですけど、明らかに違うと思うものを継続して行っても、たぶん誰も幸せにはなれない。もともと、これと言った打ち合わせもなくはじまって、作品は連載しながらどうして行くか模索して行きましょうというコンセンサスだったし。それで編集の太田さんに話したんですけど、「いいんじゃないすか、毎回新連載で」と返事をくれて、柴崎さんも逆に面白がってくれて。
最初はこうして途中で絵柄をかえることってプロとしてはどうなのかしら、という部分もあったんですけど、この作品の場合は、まあそれもふくめて「途中で」なのかな、と思うようになって、それから毎回、イレギュラーなことも含めて、可能な限りこの作品のためになることは作品内につぎ込んで行ったんですけど、今にして思うと、それは非常に良い選択だったなと思います。

夏編の絵柄がリキテックスの厚塗りのみで鉛筆の線がないのは(あと黒がないのも)、絵柄の雰囲気と文字乗りの良さを両立させたかったからです。夏編の絵柄は単行本には採用しませんでしたが、これはこれでひとつの『いつか〜』の可能性なんだなと、今でも結構気に入っています。


















| - | 08:27 | - | trackbacks(1)
単行本『いつか、僕らの途中で』(ポプラ社刊)についてお知らせ
この『いつか、僕らの途中で』が単行本として、一冊にまとまってポプラ社より発売されました。

以下、簡単に本書のスペックを



『いつか、僕らの途中で』(ポプラ社刊)
柴崎友香/田雜芳一 著
A5ハードカバー 120頁
2006年2月6日配本
定価1200円

ブックデザインは名久井直子さん。

具体的に話が動き出したのは昨年夏くらいで、そこから打ち合わせを重ねて、本格的な原稿執筆にかかったのは、同年9月(少なくとも僕は9月。柴崎さんがいつからかは厳密にはちょっとわからないんだけど、たぶん同じくらいだと思う)。以降、年をまたいで、つい先日までひたすら潜行しておりました。

ちなみにこの単行本版、連載時のものと比べると、「ちょっとこれ、書き下ろしでしょ。馬鹿じゃないの?」っていうくらいの大幅な加筆修正を加えてます。イラストは冬編のごく一部を除いてほとんど描き直してるし(棄てずに生かした冬編のイラストにもかなり手を加えてるから、実質的には全ページ描き直し)。絵柄も連載時冬編のものに、全季節分フィックスしてるし、そのうえで追加シーンを加え、各季節の合間には短編のテクストを挿入してるわけだから。
ページネーションも一応あらたにコンテを起こし直し、それをもとにデザイナーの名久井直子さんにブラッシュアップしてもらいました。

作品の評価をくだすのはあくまで読者だけど、僕たち制作者サイドとしては、自信をもって見せられる内容になったと思っています。
都市部の書店では配本日当日の6日、地方でも、遅くとも8日には行き渡るとのことですから、もし見かけたら、手に取ってパラパラとやっていただいて、できれば買っていただけると、いろんな意味で嬉しいです。
| - | 00:00 | - | trackbacks(20)
ご無沙汰しておりました。
もう、随分長い間、ここを放置しちゃってましたね。そろそろ再開します。
つか、今年に入ってから、もう無茶苦茶にいろんなことに追いまくられてたんです。ほんと、すみません。

ちなみに、現時点ではまだお話できないことばかりなんですが、『いつか、僕らの途中で』は、そろそろ次のステージへ向かいます。3月中旬辺りから、そういう方向で動いてます。

一歩ずつ、慎重に進めてまいります。取り急ぎ。

追記:
ちょっとだけ近況報告しておきますと、現在、他の仕事の合間に、猛然と本作の加筆修正をしております。
以下は、連載第4回・冬編より。







| - | 00:27 | comments(0) | trackbacks(1)
1月24日・黙祷
2005年1月24日にご逝去された、大阪芸術大学時代の敬愛してやまなかった恩師、佐々木侃司先生にこの場を借りて心から黙祷します。
作家として一人前と言えるようになったら、まずはこの先生に作品を見ていただこうと思っていました。
僕はおいそれとこの人に作品を見せることができなかった。そういう人でした。残念です。

卒業式後の打ち上げで描いてもらった似顔絵は生涯の宝。

| - | 03:10 | comments(0) | trackbacks(1)
1年
……というようなやりとりがあって、夏編の作業になだれ込んで行きました。ようやくこの時点で、これを作品として成すには何をすべきかがある程度見えて来たのかもしれません。
ちなみにこの企画のお話を最初に受けたのが去年2003年の12月10日か11日だったと思います。それから早いもので1年が経過し、もう間もなく2005年です。来年は、『いつか、僕らの途中で』をまとまった形で皆さんにお見せできたらいいなぁと思っています。

ところで、以下は、これまでの記事で紹介してきたイメージボード&プロットの叩き台になっている春編の制作途中に起こした絵コンテです。この絵コンテをもとに最終的なイラストなどを制作、レイアウトして行ったわけです。自分で言うのも何ですが、結構画期的なレイアウトじゃないかなと思います。
でも、ブっちゃけてしまうと、このコンテが完成した時点では、肝心の絵柄がまったく白紙でした。実際、絵コンテが完成したのが2004年2月の最終週だったのに、春編の絵柄コンセプトが固まったのは2004年3月の4週目頭です。しかもそれは相当な力技で。ちなみに最終締め切りは3月末だから、春編は実質1週間で制作したことになります(もっとも絵柄に関しては冬編完成まで最終的な結論が出なかったわけですが……)。



















以前も書きましたが、単純にテキストがあって絵があるというレイアウトにはしたくなかったわけです。そこに手紙としての機能をきちんともたせたかったし、テキストと絵が、どちらかがどちらかを従属的に説明するという作品にすることは絶対に避けようと思いました。
このコンテの時点ではまだかなり暫定的な仕様ですが、そういう考えがあってできあがったのがこのレイアウト案です。行間を読むとはよく言うけれど、手紙テキストの行間にイメージを本当にサンドしてしまった。そしてテキストと絵のそれぞれが別の時間軸の物語を語って、音楽のように相互に響き合えばいいと考えたわけです。
ちなみに、イラストの地色とテキスト部分の紙白で成る模様は、造形的に、手紙の「折り目」を意識したものです。

という感じで、皆様よいお年を。
| - | 00:00 | comments(0) | trackbacks(0)
プロット案・イメージボード関連メール3
で、イメージボード到着後の柴崎さんのリアクションが以下。個人的に、少し照れます。

--------------------------------------------

Date: 2004.5.8 14:37:56 Japan
Subject: 柴崎さんリアクション  FW: こんばんわ

こんばんは。

イメージボード受け取りました。

太田さんのメールにもあるように、
予想を上回ってくれる人ですよね、田雑さんは。
毎回毎回、こう来たか!と感心させられます。
次々、違う感じになってるし。
これからの作業が楽しみになります。

ロープウェイの中とか、かなりいいですね。
音とか温度とかが伝わってくる感じです。

今後の具体的な作業としては、
わたしは夏のお手紙と女の子のほうのエピソードを書くわけですね?
いつ頃までに書けばいいでしょうか?



それではまた。

柴崎友香
| - | 00:00 | comments(0) | trackbacks(1)
プロット案・イメージボード関連メール 2
追って来た柴崎さんからのメールが以下。メールの文面からも判かる通り、厳密にはプロットを上げてから少し間をおいてイメージボードを送ってます。

-----------------------------------------------------

それから、
今後のストーリーのほうですが、
基本的にこれでいいのではないかと思います。
太田さんのご意見にもあるように、多少ロープウェイの場面などがドラマチックにな
りすぎるかも、という感じはありますが、
そのあたりはわたしが基本的に「春野菜」な思考回路ですので、
おもしろいとこに着地できればと思っています。
冬のラスト、ほんと、書きながら泣くかも、と今から予想してしまいます。

まずは夏ですね。
着物が描けるとは頼もしい限りです。
さすが田雑さん。そして、田雑さんを見込んだ太田さん。
と、身内の褒め合いみたいな感じですが、
いやほんとにそう思います。
京都のとっても暑苦しい夏と、舞妓さんが生かせるような話にしたいです。

「ショートカット」で書いていることは、
この何年か自分の中でテーマになっていることなので、
それがこちらのシリーズにも自然と反映されているのだと思います。
だけどやはり、表現方法の違いもあるし、
自分の思惑を越えたところで作品ができあがっていくというのがやはり大きくて、
こちらはこちらでできることがあると思っているし、それがとても楽しみです。


ではでは、
田雑さんのイメージボード楽しみにしてます。
今後ともよろしくお願いします。

柴崎友香
| - | 15:13 | comments(0) | trackbacks(0)
プロット案・イメージボード関連メール 1
で、そのプロット案に対する太田さんからのリアクションメールが以下。

-----------------------------------------------------

Date: 2004.4.27 19:59:47 Japan
Subject: Re: プロットでーす。

さてプロット、柴崎さんには転送しておきましたさっそく。
リアクションが楽しみですね。
そして以下は、太田所感。
いきます。

[太田所感]

最近もう僕は涙もろいのかおじいちゃんなのか知りませんが、
冬のラストでかなり危ないです。
夏、秋の仕掛けみたいな見せ場もとても映像的というか、
夏は坂道が暑くって、坂道はなんかちょっと
『京都観光〜』で上るのがしんどかった流星くんを彷彿とさせるし、
秋はそのロープウエーを使うという状況に対するアイデア出しと
向こうに広がる紅葉の赤が見えてしまうのがずるいです。

個人的にはこの流れ、とてもいいと思っています。
反面、非常に静謐で隙のないイメージと、
ドラマチックな部分が立ち「すぎる」感じも
ゆくゆくは出てきがちですので、そこはなんかうまく力が抜けるシーンが
各回必要になってくるかなと。「春野菜のモノローグ的」な。


太田 匡人
| - | 11:58 | comments(0) | trackbacks(1)
プロット案
でもって、前回記事のイメージボードと一緒に提案したプロット案が以下(当時送ったメールより抜粋。)。
連載第1回の春編脱稿後に書いたものだから、連載第2回の夏編以降のことについてです。夏編で着物が描けるとかどうのこうの言ってるのは、前作『京都観光〜』原作でそういったくだりがあって、でも実際は頁数の関係でカットせざるをえなかった、という経緯あってのものです。
ちなみに、この時点では冬編の後にもう一回春が来ることになっていますが、それは後に廃案になってます。

-------------------------------------------------------



物語の進行ペースは全体のリズムを考え、
第1回に対しある程度意識的に失速させるというか、
まだ物語自体は基本的に動かさない、
第1回で紹介した諸事項を具体的にして行くパートですよね。
妙な変化球は混ぜず、普通に手紙があって、
男の子と女の子のショートショートがあるっていうような
オーソドッックスな構成がいいように思います。

あと、男の子サイドのエピソードをちょびっと考えてますんで、
ちょこちょこっと書いておきます。

僕の中での男の子は、
山梨の(田舎の)大学の付属高校の先生っていう勝手な設定ができてるんですけど、
こういう学校って、高校になってもまだ家庭訪問があったりするじゃないですか?
で、夏の山梨って京都と同じく盆地だから場所によっちゃかなり暑いんですけど、
そのクソ暑い中、男の子は山の斜面に造成された住宅街に住む生徒の家へ行くために、
長い坂を汗をかきながら登って行くと。
男の子が家庭訪問する生徒っていうのは、第1回で虹の色に関する講釈をたれた奴で、
男の子は、そいつとそいつの母親の前で緊張しながらアレコレ喋らなくてはならない。
そして帰り際、生徒が玄関先まで男の子を見送ってくれるんですけど、
その時「ねえ先生、もう中学生じゃないんだし、家庭訪問ってのもそろそろ無いんじゃない?」って言う。
男の子はそれに「ははは、俺もそう思う」みたいなことを返して、
また来た暑い坂道を引き返して行く、みたいな。

第1回で取り壊されたらしい、男の子の親戚宅の新築工事が基礎部分まで進む。
そういえば、8月1日には祇園で芸舞妓の八朔の挨拶まわりとかがありますけど、
僕、一応、お着物とかもそれなりに描けますよってことも付け加えときます。




ここから物語が一気に動きます。第1回の男の子の手紙に修学旅行がどうのっていうのがありますけど、
このセクションでは男の子達一行が修学旅行で女の子の住む京都を訪れます。
柴崎さんが第1回で書いてくれたにも関わらず、
僕が切ってしまった(すいません……)鞍馬天狗のエピソードはここで使えたらなぁとか思ってます。

男の子は修学旅行の班行動のチェックポイントである比叡山頂に初老の先生とともに
ロープウェーに乗って向かう。
ちょうどその頃、女の子は友達と比叡山頂にいて、今まさに山を降りようとしている。
上り下り、それぞれのロープウェーに同時に乗り込んだ男の子と女の子が山の中腹ですれ違う。
その瞬間、二人の目が合う。そしてまた遠ざかって行く。知ってか知らずか、二人は交錯する。
このシーンを、第1回の8頁めにある、手紙を通してふたりの視線がクロスオーバーするシーンで使った手法で、
見開き4〜6頁くらいバーンと使っちゃってダイナミックに描いたら面白いかもとか考えてます。




京都と山梨、それぞれの街に静かに雪が降り始める。
男の子の親戚宅の工事現場は完成間近で、並べられた廃材の上に雪がつもっている。

女の子は電車に乗り込んで、山梨を目指す。

広がる雪原。
お元気ですか? で始まって、また手紙を書きます。で終わるやりとりが何度も繰り返された。
クローズアップして行くと、
その先に男の子と女の子が降りしきる雪の中で立っている。ふたりの白い息と笑顔。




繰り返されるそれぞれの季節と日常。また桜が咲き始める。
自転車に乗って鴨川を走る女の子と、
完成した親戚宅を背景に、手紙をポストに投函して学校へと急ぐ男の子。
| - | 03:09 | comments(0) | trackbacks(0)
Powered by "JUGEM"
▲To the head of this page









































CALENDAR
S M T W T F S
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31      
<< January 2010 >>
RECOMMEND
NEW ENTRIES
ARCHIVES
RECENT COMMENT
RECENT TRACKBACK
LINKS
PROFILE
Yoshikazu Tazo HP
ytzo_yt1@yahoo.co.jp
クリエイティブ・コモンズ・ライセンス